必見!世界最古のコンピューター「アンティキティラ島の機械」~国立考古学博物館②
世界でもまれにみる数のギリシャ芸術が集う国立考古学博物館。
アテネに行ったら是非行ってほしい場所です。
前回のブログのつづきです。
閉館時間も近くなり帰る前に全部見たのかな?と入口できょろきょろしていると、係のお姉さんが「メカニズム見た?」と聞いてきました。
「メカニズムって何?」(ポカーン)
お姉さん「えー!見てないの?ここへ来たら見るべきよ。」と閉館時間10分前に言われ、ダッシュで展示場所まで行きました。
そこには錆び錆びのゼンマイが展示されていたのですが、とんでもなくすごいものだということを係の人が教えてくれました。(閉館間近なのにやさしい)
このアンティキティラ島の機械は世界最古のコンピューター(紀元前100年)といわれていて、1901年にアンティキティラの沈没船から回収されたものです。最初は天体観測に使うものと考えられ、そこまで重要なものとは思われておらず半世紀ほど放置されていました。
それから研究が徐々に進み、1974年にレントゲンで機械の中に多くの歯車が含まれており、月、太陽、5つの惑星の動きを示していることがわかりました。そして1990年代にCTスキャンで機械に刻まれている文字が判明し、紀元前100-150年のものであることや使い方のマニュアルが書かれていることがわかりました。
そして2008年に発表された研究によると、この機械は古代ギリシャ人にとって重要なイベント、オリンピックがいつ開催されるかわかるようにできていたそうです。
実際の機械は表がこのようになっていたそうです。一番中心の丸い部分が地球で、その周りの棒の先についている小さい球体が月、太陽、惑星で側面の取っ手を回すと棒と球体が回転しそれぞれの動きがわかります。
裏側はオリンピックの開催日や、日食や月食の日が分かるようになっています。表側の球体が日食、月食の位置にくるとカチッと止まり、裏側でその日がわかるようになっています。
またうるう年にも対応できるという、非常に高い技術で作られていたそうです。
誰が作ったかは不明だそうですが、あの偉大な天才アルキメデスの影響を受けた人物が作ったのではといわれています。
1901年に発見され、解明されるのに100年ほどかかったこの機械。
紀元前にギリシャのロドスからローマに行く船に乗せられていたそうですが、無事にローマに着いてこの機械が使われいたら、もしかしたら今の時代のテクノロジーはもっと違うものになっていたのかも知れません。
こんな小さな物が歴史を大きく変えていたかも知れませんね。
教えてくれたお姉さんありがとう。
閉館まで10分しか残っておらずかなり駆け足で見てしまったので、またアテネに行ったらじっくりみたいです。
今回ご紹介したもの以外にも数えきれないほどの作品があり、5時間近くもいたくせにまだ見れてない部屋もあります。じっくり見るなら少なくとも3時間くらいは必要かなと思います。
本当にオススメです!
National Archaeological Museum,
メトロビクトリア駅から徒歩8分
入場料10ユーロ(18歳以下は身分証明の提示で無料です。大人も無料になる日もあるのでここで確認してみてください)
NATIONAL ARCHAEOLOGICAL MUSEUM OF ATHENS - OFFICIAL SITE